乾癬

乾癬とは?

皮膚が赤く皮膚が赤く盛り上がり、銀白色のフケのようなものがポロポロとはがれ落ちるのが、特徴的な症状です。
主に頭、背中、おしり、ひじなど衣類と擦れたり外的刺激が多い部位にみられますが、患者さんによっては全身の皮膚におよんだり、爪の異常がみられることもあります。
かゆみには個人差があり、まったくかゆくない人もいれば、強いかゆみが出る人もいます。これらの症状は、一般的に長期間続いて、時によくなったり悪くなったりします。
皮膚の症状だけでなく、関節に腫れや変形、痛みなどの症状がみられることもあり、乾癬が皮膚だけの病気ではないことがわかってきています。

乾癬の原因は?

乾癬の原因はまだはっきりとわかっていませんが、もともと乾癬になりやすい体質に、さまざまな要因が加わって起こると考えられています。
要因には、風邪や扁桃腺炎などの感染症、季節(冬)、薬、喫煙、偏った食生活、ストレス、メタボリック症候群(肥満・脂質異常症・高血圧症・糖尿病)などがあります。

乾癬の皮疹のメカニズムは?

免疫の異常が生じると、からだのなかで「サイトカイン」という物質が過剰に増え、炎症が持続して皮膚が赤くなります。また、皮膚では、いちばん外側にある「表皮細胞」が異常に増えてしまいます。
通常は、28~40日で生まれ変わる表皮細胞が、乾癬患者さんでは4~5日と極端に短くなっていて、十分に成熟していない表皮の細胞が厚く積み上がり、鱗屑となってはがれ落ちていきます。

乾癬のタイプ

乾癬は症状の違いによりタイプが分かれます。
尋常性乾癬は約90%に見られる最も一般的な乾癬で、典型的な皮疹がみられます。
乾癬性関節炎は乾癬患者さんの約15%に発症する炎症性の関節炎で、手足の指の腫れや、安静時の腰の痛み、アキレス腱や足底の痛みなどが生じます。関節リウマチと症状が似ていますが違う病気です。

滴状乾癬は小型の紅斑が特徴で、感染症(扁桃炎など)に続いて急性に発症することが多く、感染症の根治治療で改善することがあるタイプです。
乾癬性紅皮症は全身に紅斑が拡大し、発熱や脱水症、倦怠感などを生じ、入院治療が必要となることもあります。

膿疱性乾癬は、尋常性乾癬が悪化して起こるものと、前触れなく起こるものがあり、皮膚の表面に白色または黄色の膿を持った発疹ができます。発熱や全身のむくみ、関節の痛みが出て多くは入院が必要となります。

乾癬の治療法は?

乾癬の治療法は、「外用療法」、「光線療法」、「内服療法」、「生物学的製剤(注射)による治療」の大きく4つに分けられます。
それぞれの治療法に長所と短所があり、症状の重さやライフスタイルに合った治療法を担当の医師と選びます。いくつかの治療法を組み合わせて治療することもあります。

当科では、以前より光線療法に力を入れてきました。ナローバンドUVB、外来でも実施可能なPUVAバス、ターゲット型治療器であるセラビーム、VTRAC、さらに、全国に数台しかなく大学病院では当科が唯一導入している、エキシマレーザー治療器のXTRACを揃えています。

生物学的製剤(バイオ製剤)による治療も積極的に行なっています。生物学的製剤は抗体を使った薬で、炎症を起こす「サイトカイン」に直接作用し、皮膚や関節の症状をコントロールする働きがあります。

現在、乾癬の治療に使用できる生物学的製剤はすべて注射薬で、TNFαに作用する薬、IL-12およびIL-23に作用する薬、IL-17Aに作用する薬があります。
生物学的製剤は、薬剤費が比較的高い薬ですが、今まで治りにくいとされていた皮膚症状の重い患者さんや、関節症状がある患者さんに効果が期待できると考えられています。

乾癬専門外来について

当科では、外来開設日全てで乾癬患者さんの診察を行なっていますが、より詳しい診察を希望される場合や、関節の痛みがある場合には、火曜日午前の乾癬専門外来の受診をお勧めしています。関節症状については、関節エコーやレントゲン、MRIなどの画像検査や、リウマチ専門医への紹介も行います。

西日本乾癬レジストリについて

当科は、2019年に西日本地域の有志の皮膚科施設で結成した「西日本乾癬レジストリ」の主幹施設となっています。西日本乾癬レジストリは、国内最大規模の乾癬データベースであり、多くの乾癬患者さんの症状や治療内容を収集し、乾癬の治療の最適化をはかります。

患者さんの個人情報は守られますので、皆さんのご協力をお願いいたします。

2020年 2月