教授挨拶

今福 信一福岡大学医学部皮膚科学教室は、福岡大学に医学部が新しい学部として昭和47年に加えられ、同時に福岡大学病院が開設された時に開講されました。初代病院長の故樋口謙太郎教授(元九州大学医学部皮膚科教授)、初代皮膚科学教室教授の利谷昭治教授に続いて、平成10年4月から中山樹一郎教授が第2代教授として務め、平成26年(2014年)4月から私が主任教授として就任致しました。

福岡大学皮膚科は、一般的な皮膚疾患から幅広い皮膚疾患、そしてたくさんの患者さん診療をしているのが特徴だと思います。
また、研究面では主に臨床研究を多数行っています。これらの研究はいずれも「なぜこのような病気があるのか」という臨床的な疑問から始まり、詳細な臨床から病気の本質を見抜いて、最適な治療をみつけるために行っています。

特にホームページに示している6つの分野で専門的な診療・研究をしています。

乾癬

福岡大学病院では、1998年からの累計で1600人を越える乾癬の患者さんを診療してきました。毎年500人ほどの患者さんが治療を受けています。
古典的な紫外線治療から最新の生物学的製剤治療まで患者さんの重症度に合わせて幅広い治療を行っています。また乾癬性関節炎の診療も整形外科と連携して注力しています。
これらの治療成果をきちんと把握して、どのような患者さんにどの治療が最も良いのかを常に研究しています。
また、2021年4月から膿疱性乾癬の患者さんの遺伝子診断も開始しています。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の治療は2017年以降大きな変革がありました。生物学的製剤の注射による治療に加えて、内服のJAK阻害薬、また塗り薬もステロイドではない治療が複数登場して、選択肢が豊富になりました。これらの最新の治療を導入しています。
また、さらに新たな治療薬の治験も行っています。
同時に、アトピー性皮膚炎はなぜ男性に重症が多いのか?高齢になって発症してくる男性の紅皮症はアトピー性皮膚炎と何が似ていて何が違うのか、など疾患の枠組みを含めて考える視点で診療、研究を行っています。

ヘルペス感染症

単純ヘルペス、帯状疱疹については治療だけでなく抗体疫学的な研究、及びPCR法による正確な迅速診断による病態の解明の研究も行っています。

神経線維腫症I型(レックリングハウゼン病)

17番染色体のNF1遺伝子の異常で生じる遺伝性の疾患レックリングハウゼン病は単一遺伝子疾患ながら多様な重症度を取る疾患です。
当科では厚生労働省の研究班で、病気の特徴や手術方法などについて臨床的な研究などを行っています。
2021年4月から遺伝子検査を開始しました。結果までに約6ヶ月を要します。また、叢状神経線維腫についてはコセルゴという内服薬が使えるようになりました(18歳以下の方)。その処方も行っています。希望のある方は診察時にご相談ください。

皮膚悪性腫瘍

基底細胞癌、有棘細胞癌、メラノーマの診療、研究を行っています。最新のセンチネルリンパ節生検、手術、及び免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬を含めた最新の抗癌剤治療を行っています。

美容皮膚科

専門外来を行っています。また、血管腫のレーザー治療も行っています。成果の測定のために新しいシミ測定機器も導入し、客観的な治療評価の確立を目指しています。

福岡大学医学部皮膚科学教室では、これらの診療、研究を通して「患者さんを幸せにする」ことを目標としています。
多くの患者さんから学び、それをよい治療として患者さんに還元する、そしてそれが出来るやる気のある医師を育成することを目標に教室員一同で頑張っていきたいと思っています。

2025年 4月

福岡大学医学部 皮膚科学教室
教授 今福 信一